ルビー・スパークス

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ルビー・スパークス評点:★★★★★プロローグありがちな今様キャラタイプライターゾーイ・カザンポール・ダノローゼンタール博士プリテンシャスHOME: 粉川哲夫のシネマノート
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ルビー・スパークス

Ruby Sparks/2012/Jonathan Dayton + Valerie Faris(ジョナサン・デイトン+ヴァレリー・ファリス)

◆『リトル・ミス・サンシャイン』のデイトン/ファリス夫妻が監督を務め、エリア・カザンの孫のゾーイ・カザンの脚本・主演となれば、期待はふくらむが、それほどでもなかった。

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プロローグ

◆混むと好きな席が取れないので、早く行った。20世紀フォックスの試写室。配給のひとが、前の回が終わらないので待ってくれというので、「ここで待てばいいの?」と尋ねると、そうだというのでビルの広場で立って待った。本を読んでいると、大分してから配給のひとが、「適当な順番で入ってください」と言う。見ると、ベンチにかなりの人がおり、そのそばに立っているひともいる。「テキトーじゃわかないよ」とわたしが言うと、配給のひとは、「お席は十分ありますから」と答える。どこでもいいならそういうことも言えるが、問題は席の量の問題じゃなくて、質の問題なんだと思っていると、そのうち、ひとびとは、順番など無視してわれがちに入りはじめた。ぼんやりしていたわたしは、大分遅れて入ることになる。で、テキトーな(?)席について本を読んでいたら、左のほうで女性のキツイ声がした。席にパンフを置いておいたのに、座っているひと(タレント)がいるというのだ。結局、彼女がパンフを置いておいた席がそのタレント氏の好みの席で、配給さんが気をきかせて彼女をコケにして取置いたらしい。しかし、パンフを先に置いていた彼女としては憤懣やるかたなく、声を荒げたのだった。配給さん、どうみても、やり方が悪いよ。こんなじゃ、この映画も当たらないぜ。

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ローゼンタール博士

◆ひげ面の臭さ~い感じのカウンセリング医が出てきたので、誰かと思ったら、エリオット・グールドだった。ローゼンタール博士という名前は、非常に暗示的で、脚本を書いたゾーイ・カザンのお利口さがよく出ている。つまり、この博士はまさに〝ローゼンタール効果〟のことを示唆しているのだ。

◆ローゼンタール効果とは、〝ピグマリオン効果〟とも言い、解説的な説明では→<教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果>とある(Wikipedia)。つまり、カルヴィンは、ローゼンタール博士の期待を実現するという方向で動き、夢で見た女性を小説にし・・・となる。

◆エリオット・グールドが演じる医師とカルヴィンとの関係は、非常にパターン化されたカウンセリング・シーンで、ウディ・アレンなどを意識しているようにみえるが、ふとわたしは、ローバート・レッドフォードが初めて監督をつとめた『普通の人々』(Ordinary People/1980)を思い出した。ここでは、〝悩める〟青年(ティモシー・ハットン)のカウンセリングをするユダヤ人医師をジャド・ハーシュが演じていた。